チャプター 103

郊外のレストラン。

仕事帰り、セリアと私はそのまま車を走らせてそこへ向かった。個室に入るなり、セリアはスマートフォンを掲げて身を乗り出し、興奮気味に私へ言った。「エンバー、チェロを弾いてるときのあなた、どれだけ人を惹きつけるか自分じゃわかってないでしょ」

セリアの賛辞を聞いた途端、私はふっと意識が遠のいた。

前の人生で、ガブリエルと結婚したばかりのころを思い出したのだ。嬉しくてたまらなくて、二階のいちばん奥まった場所に音楽室をつくった。あの頃の私は、まだ練習が好きだった。ほとんど毎日、そこで一、二時間は弾いていた。

ガブリエルは滅多に邸宅へ帰ってこなかったし、帰ってきても数時間だけだっ...

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